賃貸借契約の更新が近くなると、入居者から大家さんに対し更新交渉を持ち掛けてくる可能性があります。
更新交渉で間違った対処をしてしまうとトラブルに発展する恐れもあるため、うまく対応しなければなりません。
今回は、賃貸管理や賃貸経営を始めようとしている方に向けて、更新交渉の対応や家賃値上げの可否、起こりがちなトラブルについて解説します。
どう対応すべき?入居者からの賃貸借契約の更新交渉
賃貸借契約の更新交渉は、もちろん拒否することも可能ではありますが、状況に応じて柔軟に対応したほうが良いでしょう。
交渉を拒否して退去されてしまうよりは、最低限の家賃の値下げをしたほうがリスクが低い場合も往々にしてあるからです。
家賃の値下げを求められたときは、近隣の類似物件の家賃相場に更新料や築年数、共用部分の充実度なども踏まえて交渉に応じることをおすすめします。
また、家賃の値下げには応じられなくても、共用部分や室内の設備を充実させるなど代替案を提案するのも有効です。
▼この記事も読まれています
賃貸の定期借家とは?中途解約や更新についてご紹介!
賃貸借契約の更新交渉で家賃の値上げは可能なの?
家賃の値上げは、借地借家法という法律で大家さん側に認められた権利です。
しかし、それまでの家賃が相場より低いこと、家賃相場の上昇、さらに固定資産税の増額や物価の上昇などの条件を満たしていなければ値上げはできません。
入居者側には家賃を値上げする根拠を提示し、同意を得る必要があります。
応じない場合には退去させるような強硬手段には、くれぐれも出てはなりません。
また、任意のタイミングで申し出ることは可能ですが、賃貸借契約の更新時に申し出るのは避けたほうが無難です。
入居者に値上げに応じてもらえずに契約終了を迎えてしまうと、法定更新といって更新前と同じ条件で更新が可能であるからです。
▼この記事も読まれています
賃貸のデザイナーズマンションとは?家賃やメリット・デメリットをご紹介
賃貸借契約の更新交渉で起こりがちなトラブルとは?
大家さんと入居者の間で合意に至らず、契約期間満了までに更新ができないと、自動的に契約が更新されます。
そうなると、これまでと同じ条件での更新となるだけでなく、契約期間も決められず、そのときだけでなく今後も更新料を請求できません。
この法定更新は強行規定であり、大家さんが納得できようとできまいと、どうすることもできないのです。
また、更新交渉が難航している間に家賃未払いとなり、そのまま裁判となってしまったトラブルの例もあります。
ただし、法定更新のあとでも地道に交渉を続けて入居者の同意が得られれば、合意更新という形をとることも可能です。
更新合意書を締結すれば、法定更新のあとでも家賃を改定できます。
▼この記事も読まれています
賃貸物件の共用部分とは?玄関やベランダはどうなる?